(クリックすると拡大します。なお、この航空写真は国土交通省のサイト「国土情報ウェブマッピングシステム(試作版)のご利用に当たっての注意事項」に基づき記載しております。) 今 回の駅トレは予土線務田駅から卯之町駅までの(当初)約17・8キロのこれまたへんろ道である。前回の上宇和〜伊予大洲間も含めれば、務田から松山まで繋 がってないのは、内子〜三坂峠間約50キロと松山市内〜浄瑠璃寺付近の約10キロだけになってしまう。最近へんろ道にこだわり始めたのは、へんろ道が結構 整備されていて、この時期歩くのがおもしろいからに他ならない。今回も当初は17・8キロだったのだが、仏木寺を過ぎたあたりで、当初の県道ルートからへ んろ道にはいったところ、途中鎖場などもあったものの、最終的には16・4キロに短縮したのである。
左:宇和島駅1001D〜1058D、右:務田駅4838D と もかく、予土線に乗るためには、最初から列車は1001Dと決まっている。宇和島まで行って、そこから4838Dに乗り換える。このパターンは先日バース デイきっぷで使用したルートである。列車にはおへんろさんの格好をした青年がひとり乗車していて、同じく務田で下車した。ただ、私はへんろ道を歩くのが目 的だから、まっすぐに経路上にある仏木寺を目指すが、彼の場合は先にひとつ谷の違う龍光寺に先に行くはずだから、ここで別れる。 と いうわけで、とっとと仏木寺をめざす。当初は宇和島から仏木寺行きのバスに乗ろうかとも思っていたが、仏木寺到着が11時09分、歩いた場合は11時前後 だから、気にはなるが使う必要性がない。その仏木寺には予定より早く10時45分頃には通過したのだが、実はこのあたりからぽつぽつ雨が降り始めた。昨日 17時の天気予報は晴時々曇だったのが、今朝5時で曇(降水確率20%)が全くの大ハズレである。ちょうど目の前を男性3人連れのおへんろさんが雨対策を するかどうか悩んでいるが、その格好は1人が自転車で、あとの2人がなぜか台車を引っ張っていた。自転車はともかく、台車だとこれからの歯永峠は登りもそ うだが、下りも大変だ。
左:仏木寺から歯長峠方面を見る、右:へんろ道 私 も最初はタオルを頭に巻いたのだが、結構雨が強くなって、ビニル合羽を着る。よくぞ持ってきていたものだと思う。仏木寺を過ぎると、まもなく県道からそれ てへんろ道に入る。ちょうどこのあたりは高速道の工事中で、工事車両がひんぱんに走っている。そのあたりはたいした坂でもないのだが、そこから山道に入る と、だんだん急坂になる。 そうすると、雨は木々にさえぎられて濡れなくなるのだが、今度は自分の汗で合羽の内側が濡れ る。が、脱ぐと下の服も湿っていて、これが結構冷えるし、髪の毛はかなり濡れてしまった。これでは、昨年夏の石鎚登山である。もはや、合羽を脱ぐというこ とは風邪をひくということである。そもそも今週の私は風邪気味であり、これでは、長時間立ち止まることもできないし、多分用意している下着とシャツを着替 えるまではビニル合羽も脱げないことになりそうだ。 途中、吉田方面の視界が開けたから、雨も峠を越したものかとえもったものの、一度県道に戻って、再び峠へのへんろ道に入ったところで、かなり強い雨が降り始める。そこには、雨を凌げる場所もあり、誰かが置いていった新聞もあるのだが、かような訳で休むわけにも行かない。
左:雨中の吉田方面、右:歯長峠方面 そ ういえば、峠への道の入口には「きついのは最初だけ、峠まで20分」と書かれている。木々の屋根で雨を凌ぎながら歩くと、いよいよ噂にはきいていた鎖場が 見えてきた。が、幸い石鎚登山の鎖場ほどではなく、まあすべり対策で持つ程度であって、いよいよ峠が近づいてくるのがわかる。が、地図で見た場合、農道と へんろ道ではかなり道が違うことも判る。へんろ道はどのようにして造られたのか?とも思う。 峠近くで、休んでいる初老 の男性を見かける。峠にはいって初めて会うおへんろさんである。私は普通の運動のできる服装なのだが、彼にはどのように見えただろうかと思う。そして、 11時20分、実に県道経由の当初予定よりも1時間早く峠へとたどり着いたのであった。ようやく雨がやんだ。 ここで、おにぎりを食べて休憩する。さきほどのおじさんが峠の祠に一礼をして通り過ぎていく。私もさきほどの理由で長居はできないので、そそくさに下る準備をする。 下 りに入って思うことだが、考えてみれば、へんろ道は通常四国88箇所を順番に回るため、登りがだいたい同じ方向になる。つまり、たいていの人が私の通った ルートを歩くわけで、どうりで登りには、これでもか?と思うほどの道しるべや、巡礼者がかけたと思われる短冊があったりするのだが、下りに入るとさくさく と下れるせいか、それらしきものがほとんどなくなる。
左:鎖場、右:歯長峠 余談だが、10年ほど前に某映画で、へんろ道を生き返らせたい人の歳の数だけ逆に回れば、その人が生き返るのがあったが、あれは映画のお話で、実際には逆廻りをすれば、途中で弘法大師様とすれ違うことができる伝説があるという。 下りの途中で、先ほどのおじさんを追い越す。時間的に見て多分おじさんは今日は大洲まで行くのであろう。だから、私とは根本的に速度が違うのであろう。 さ て、25分で下りきった後、気になるのは卯之町到着時刻であるが、このままだと13時15分頃になりそうだ。とすれば、卯之町13時21分発の1059D で一度宇和島へ行ってからそのまま1064Dでとんぼ返りすることができそうだ。それより遅れたら、そのまま1064Dを待てばよい。
左:宇和町皆田から見た歯長峠方面、右:卯之町駅22D と 思っていたのだが、卯之町の街中に入った段階で12時45分である。これは卯之町13時05分発22Dに間に合う。が、私のビニル合羽の下にきている服は ずぶ濡れになっている。雨は途中ぱらぱらとはしたものの、今は合羽を着ているほうが目立つ。卯之町駅到着後はトイレででも着替えをしなければならない。今 日の最後はかなりのラストスパートで12時55分には卯之町駅まで駆け込み、着替えをした後、22Dになんとか間に合ったのであった。 こ れでよく考えたら、宇和島〜松山間のへんろ道は、宇和島〜務田間、内子〜久万〜三坂峠、丹波〜久米間以外が繋がった。宇和島〜務田間の予定はないが、丹波 〜久米間というより、三坂峠〜久米間約16・0キロは明後日敢行しようとかんがえている。そうすれば、あとは内子〜久万〜三坂峠約45キロが残るだけにな る。実は小田〜松山間は日祝日を除き、へんろ道のほぼ中間点となる総津落合15時32分、松山市16時55分という絶好のバスが走っているのである。だか ら、内子〜総津落合、三坂峠〜総津落合と分ければ貫歩できる可能性が出てきた。(2007.11.20、写真は全て敢行日撮影) |