TSEの2両編成

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予讃線松山以南の特急列車は2000系投入以来、増結の歴史でもあった。平成4年頃には現在の1052Dに相当する列車は3両で、松山到着直前に「指定席」の表示となって「5〜7号車」の表示に変わる。そして、次の現在の10Dに相当する列車(当時は6D)は4両編成で、その前に1時間後に増結していた。

時代は変わり、松山以南の特急は基本4両となり、10Dは5両時代を経て平日7量へ、さらに常時7両(多客期は8両、その際は基本5両)にまで成長した。それが、2年ほど前からTSEが3両編成になった。一説には、宿毛での事故の関係で、2000形G車と2200形が廃車になったため、2200形が不足したからだということも聞いた(確信はない)。

だが、ついにその松山以南の特急にメスが入った。TSEは平日1053D〜1064Dの2往復が2両編成へ。そして、2000系一般塗装車も、土曜日1051D〜1072Dの4往復及び1034Dが3両編成、さらにそれに続く日曜日の1001D〜1058Dと1063D〜1076Dの2往復がやはり3両編成に減車された。

一応、平日の通勤時間帯への影響はないから、特に問題視する必要もないのだろうが、以前から1071DのTSE3両編成の混雑については疑問視していた。

その背景には、高速道の延伸がある。いよいよあと1年半少々でついに宇和島を突き抜けて、津島まで伸びてしまう。JRの場合、松山〜八幡浜間及び八幡浜〜宇和島間については、路線バスを凌駕してしまったが、松山〜卯之町に限れば時間的な優位性はない。卯之町の場合は集客性の問題もあるのだろうが、これが宇和島まで延伸してしまったら、JRの松山〜宇和島での優位性は定時運行と早朝、夜間運行のみである。そうしたら、松山以南の特急は本当に定期客だけが乗車することになるのではないだろうか。しかも、宇和島自動車は1071Dに対抗するためかどうか走らないが、松山市駅発19時55分の便を増便してきた。今後は、JRと一度は沈んだはずのバス(松山〜宇和島間)の壮絶な集客合戦が始まると思われる。

だから、JRとしては先手を打ったのであろうが、これだけを見たならば、単に後ろ向きの様子でしかない。何しろ、松山〜宇和島間のバスの運賃は安い。JRのSきっぷ5,100円に対して、バスは往復2,800円である。さらに、回数券を使えば、片道1,300円前後らしいのだ。先述のとおり、松山以南の特急も含めた乗客は定期客ばかり、それ以外の乗客はほとんどバス利用という事態が想像できるだけにJRの対応が興味あるところである。(2009.07.06)

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